本記事では、ワイモバイル「Pocket WiFi 603HW」について本体スペック、料金プラン、評判をお伝えする記事です。
ワイモバイルをはじめとする各キャリアでは様々なモバイルデータ通信ができるデバイスを売り出しています。
しかし、ルーターそれぞれのスペックや利用料を比較しようとしても公式サイトだけでは分かりづらいです。
購入を検討されている方は、本記事を参考にしていただければと思います。
結論から申し上げると、ワイモバイルのサービスはたくさん通信するのに向きません。
失敗したくない人は、後半でご紹介する「ブロードワイマックス」をご検討ください。
目次
Pocket WiFi 603HWの機器概要
Pocket WiFi 603HWは、Huaweiから2017年2月に発売されました。
モバイルルーターに必須の技術はきちんと搭載されています。
Pocket WiFi 603HWのデザイン
Pocket WiFi 603HWは丸みを帯びたシンプルなデザインを採用しており、カラーはブラックかホワイトの2つです。
名刺大のサイズで、重量も文庫本程度なので持ち運びにも邪魔になりません。
ディスプレイの大きさがやや小さいですが、頻繁に操作するものでもありませんのでマイナス点とまでは言えないでしょう。
Pocket WiFi 603HWの通信スペック
Pocket WiFi 603HWの通信スペックですが、最新技術であるキャリアアグリゲーション(略称:CA)を搭載しています。
CAとは、通信キャリアが持つ複数の回線をひとつに見立てて、同時に通信できるようにした技術です。
Pocket WiFi 603HWが利用できるワイモバイルではグループ会社であるソフトバンクのLTEとWCPのAXGPという複数のインフラを利用していますので、どちらの回線も提供エリア内であればより高速なデータ通信ができるという仕組みです。
逆を言うと、LTEのエリアにしか入っていなければLTE分の速度しか出ず、AXGPのエリアにしか入っていなければAXGPの速度分しか出ません。
ルーターとしては最大理論値で612M/bpsの通信速度を誇りワイモバイルのルーターの中では、最も高速通信ができるデバイスです。
しかし、利用する場所によって通信速度は大きく上下する事に注意が必要です。
なお、CAはワイモバイルだけの技術ではなく、ドコモ(NTT)やau(KDDI)、WiMAXでも使われており、最近のモバイル通信では当たり前の技術です。
Pocket WiFi 603HWスペック表
本体サイズ(mm) | 109.9 × 65.1 × 15.5 |
重さ | 約135g |
使用ネットワーク | Hybrid 4G LTE / AXGP |
下り最大通信速度 | 612Mbps ※1 |
上り最大通信速度 | 37.5Mbps |
連続通信時間 | 約6〜8.5時間 |
※1 一部エリアのみ対応しています。
Pocket WiFi 603HWの特徴
Pocket WiFi 603HWではデザイン、機能面含めてこれといって目立った特徴がありません。
ワイモバイルの中では最も高速に通信ができるルーターですが、他社ではさらに高速な通信を実現しているので、優位性としてはあげられず、待機状態からの起動が5秒しかかからないという点しかオリジナリティがないルーターです。
Pocket WiFi 603HWの購入場所
Pocket WiFi 603HWは全国にあるY!mobileショップ、または公式オンラインストアで契約と同時に購入できます。
Pocket WiFi 603HWの評判
Pocket WiFi 603HWは、キャリアアグリゲーション(CA)という通信技術を利用して、最高通信速度が612Mbpsまで出るルーターですが、どうしても利用するネットワークの提供エリアに左右されるため、場所によってはあまり速度が出ません。
世間の評判としても、速度が出ない事を指摘している評判が目立ちます。
夜間の自宅回線が遅すぎるのでポケットwifi 603hw 契約したは良いけど、こいつも速度出ないんですが ┐(´д`)┌ pic.twitter.com/CueDVEMeW8
— でぶっち (@debudesunen) June 10, 2018
ワイモバイルの603hw 窓から投げ捨てたいレベルでアドバンスモードの速度でない、
— 社畜アーマー (@DIYojsn) November 22, 2017
ワイモバイルは、KDDIやNTTよりも利用できる周波数が少なく、古い回線は対応エリアも狭いのでキャリアアグリゲーション(CA)していても速度が出ない結果になりやすいことが、これらの評判にも表れています。
Pocket WiFi 603HWで繋がるエリアについては、以下の記事で詳しくご紹介しています!
Pocket WiFi 603HWを使う際の料金プラン
ワイモバイルでは通信キャリアとしては珍しく、料金プランは非常にシンプルにしていてわかりやすい事が特徴です。
しかしシンプルだからと言って利用料が安いという事ではなく、モバイルデータ通信サービスとしては高額な部類に属します。
ワイモバイルの料金プランについて
ワイモバイル料金プラン
プラン名 | アドバンスモード | 月間通信容量 | 月額料金 |
Pocket WiFiプラン2(さんねん) | 有 | 無制限 | 4,380円 |
Pocket WiFiプラン2(さんねん) | 無 | 7GB | 3,696円 |
Pocket WiFiプラン2ライト(さんねん) | 不可 | 5GB | 2,480円 |
※各プランは契約期間が3年の「さんねん」契約にて記載しています。
ワイモバイルの基本プランは2つしかありません。
- 月間通信容量が7GBまでの「Pocket WiFIプラン2」
- 5GBまでの「Pocket WiFIプラン2 ライト」
月間通信容量を無制限にできる「アドバンスモード」のオプションは7GBの「Pocket WiFIプラン2」しか適用できません。
月5GBのライトプランは近年のネット通信を考慮するとかなり少ない容量ですので、メインの通信サービスとしてワイモバイルから選ぶ場合は容量無制限にできる「Pocket WiFIプラン2」しか実質選択肢がありません。
価格もモバイルデータ通信として安いとは言えず、7GBまでなら3,696円、さらにアドバンスオプションで容量無制限にすると684円が加算されます。
つまり、容量を気にせず使いたい場合の月額利用料は4,380円になりモバイル通信としてはかなり高額な部類に位置します。
Pocket WiFi 603HWはメインのネット回線ではなく、スマホや別の通信サービスを補助する役割として利用する方が適していると言えます。
速度制限について
アドバンスオプションを付けなかった場合、月間通信容量の上限は7GBか5GBのどちらかになりますが、モバイルデータ通信としてかなり少ない容量です。
この少ない容量の上限に達すると当然のように速度制限がかけられます。
速度制限中は通信速度が128kbpsまで低下し、容量を追加購入するか翌月になるまで規制は解除されません。
これはかなり厳しい制限です。
ライバルサービスのWiMAXと比較しても、利用者にとってもダメージの大きい制限と言えます。
128k/bpsではメールの送受信くらいにしか利用できず、TwitterやInstagramのようなSNSはもちろんYoutube動画も利用できなくなります。
容量を追加するにしても、500MBで500円と高額です。
500MBはInstagramのタイムラインを10回程度リロードするだけで使い切ってしまう程度の容量ですので、頻繁にSNSを活用される方はアドバンスオプションが必須と言えます。
- 容量を買い足す(500MBあたり500円)
- 翌月まで128kbpsで我慢する
ワイモバイルの「アドバンスモード」の注意点
月間容量を気にせず無制限に使うには、Pocket WiFIプラン2のアドバンスオプションを付けてルーター本体側をアドバンスモードに設定する必要があります。
一手間かかります。
また、アドバンスモードで利用するネットワークは提供エリアが限られており、電波の周波数も2.5GHzか3.5GHzという非常に遮蔽物に弱い回線です。
つまり、アドバンスモードで利用できるエリアは非常に狭く、通信品質も悪い事を指しています。
モバイル通信サービスの容量は無制限が一般化されつつあるので、知名度やルーターの好みで選んでしまうと、実は利用できないエリアだったり通信が頻繁に途切れて使い物にならない可能性がある点に注意が必要です。
個人的には、ワイモバイルの「アドバンスモード」で容量無制限にするより、もっと繋がりやすいWiMAXのギガ放題プランを選んだ方が快適に使えるかと思います。
Pocket WiFi 603HWの価格
Pocket WiFi 603HWの価格は、41,400円と高いです。
例えば、競合サービスに当たるWiMAXでは、ルーターはほとんどのケースで無料提供されています。
ワイモバイルはルーター代の負担がある点でマイナス、高いと評価せざるを得ません。
ワイモバイルのルーター代は、月々の利用料から値引きされるので利用年月が3年以上になる場合は結果的に実質ゼロ円で購入できます。
一見おトクに見えますね。
しかし、一括払いでも分割払いでも値引きして相殺している為、仮に途中解約すれば残ったルーター代を支払い続ける必要がある点にも注意が必要です。
Pocket WiFi 603HW ルーター購入費用
支払方法 | 支払代金 | 値引き |
一括払い | 41,400円 | 1,150円×36カ月 |
分割払い(24回) | 1,150円/月 | 1,150円×36カ月 |
→競合サービスのWiMAXでは、多くのプロバイダーがルーターを無料提供していますので、どうしても高いと感じますね。
通信容量を気にせず高速通信するならWiMAXがおトク
Pocket WiFi 603HWは、ワイモバイルの中では最も高速に通信できるルーターです。
しかし、月々利用できる容量に上限があったり、無制限のアドバンスモードでも利用できるエリアが限られていて万人におすすめできず、利用できたとしてもモバイル通信としては高額でストレスなく利用するには難点が多いサービスです。
そこで、僕としては競合サービスにあたるブロードワイマックスをおすすめします。
ブロードワイマックスは通信容量が無制限な上、エリアもKDDIのインフラを使っている為、ワイモバイルのアドバンスモードよりも広いです。
さらに、料金も安い事から人気が出ているプロバイダです。
ブロードワイマックス vs ワイモバイルの料金比較
ブロードワイマックス vs ワイモバイル料金比較
ブロードワイマックス ギガ放題プラン |
ワイモバイル Pocket WiFi プラン2+アドバンスオプション |
|
月間通信上限 | 無制限 | 無制限 |
初期費用 | 3,000円 | 3,000円 |
初月利用料 | 日割料金 | 日割料金 |
1〜2カ月目 | 2,726円 | 3,696円 ※2 |
3〜24カ月目 | 3,411円 | 4,380円 |
25カ月目以降 | 4,011円 | 4,380円 |
1年間総費用 | 42,562円 | 54,192円 |
2年間総費用 | 80,494円 | 106,752円 |
3年間総費用 | 128,626円 | 159,312円 |
※2 アドバンスオプション3ヵ月無料特典適用時の価格です
無制限プランで比較した際、ブロードワイマックスではワイモバイルに比べて年間12,000円以上も安く利用できます。
初めから無制限プランが用意されているのでワイモバイルのように別途オプションを追加するような手間も必要ありません。
通信費を節約したい人やメインの通信回線を探している方にはワイモバイルではなく、ブロードワイマックスをおすすめします。
TwitterやInstagramのようなSNSの普及、そしてYoutubeやニコニコ動画などの動画サイトの普及により、一人ひとりの通信容量は年々上昇しています。
2018年12月には4K・8K放送も始まりますます通信容量は拡大しましたので、モバイルデータ通信の容量も無制限を選ぶ事が一般的です。
Pocket WiFi 603HW vs WiMAXルータスペック比較
モバイルルータのスペック・料金
スペック的にはたいして変わりありません。
若干、ブロードワイマックスのSpeed Wi-Fi NEXT W05の方が上ですね。
しかもブロードワイマックスのルータは無料提供されています。
一方、Pocket WiFi 603HWは、ルーター価格分を毎月の利用料から値引きする形で実質無料としています。
この点だけをみても相当大きな金額差が生じていますね。
ブロードワイマックスでは、20カ月経過で最新ルーターに無料交換できる
ブロードワイマックスでは20カ月間利用すればその時の最新ルーターに無料交換してくれる制度があります。
今後も、速度やバッテリーの性能もあがっていきますので、ルーター交換の費用負担がないことからもWiMAXを選んだ方が賢いのは明らかですよね。
Pocket WiFi 603HWを分割で購入すれば実質3年間は費用負担が発生するので、機種変更も簡単にできません
ルーターの費用負担比較
ブロードワイマックス | ワイモバイル | |
初期契約時のルーター代金 | 無料 | 41,400円 |
機種変更 | 20カ月利用で無料交換 | 現行ルーターの支払いを終え、新型ルーターを自腹購入する必要あり |
ブロードワイマックス vs ワイモバイルのキャンペーン比較
ブロードワイマックスとワイモバイルのキャンペーン比較表
ブロードワイマックス | BIC WiMAX | |
新規契約時 | ・利用料値引き ・ルーター無料 ・違約金負担制度 ・当日店舗受け取りサービス |
・アドバンスオプション3カ月無料 |
契約後 | ・ルーター無料交換 ・ご満足保証 |
なし |
→どうみても、ブロードワイマックスの方がお得ですね。
ワイモバイルはスマホやタブレットの販売を主体とした運営スタイルの為、キャンペーンの内容もスマホやタブレットを対象にしたものが圧倒的に多く、Pocket WiFi 603HWで利用できるものはほとんどありません。
ワイモバイルで受けられるキャンペーンは、月間容量を無制限にできるアドバンスオプションの利用費684円を3カ月間無料にするキャンペーンだけと寂しい感じです。
Pocket WiFi 603HWに関する詳細まとめ
Pocket WiFi 603HWの特徴をまとめると以下の6つとなります。
- 最大速度が612M/bpsでモバイル通信としてはさほど高性能ではない。
- 速度制限時は128kbpsしか出ない。実質利用できなくなるに等しい。
- ルーターは有料、そして4万円オーバーと高額。
- 有料のアドバンスオプションを使用しないと容量が無制限にならない。
- アドバンスモードの利用可能エリアは狭く、電波も遮蔽物に弱い。
- ワイモバイルで適用できるキャンペーンは1つしかない。
Pocket WiFi 603HWは機器本体のスペックだけで言うならば大きな優位性も欠点もないルーターですが、問題はワイモバイルが定めている料金プランや速度制限が非常に人を選ぶものになっている点です。
通信容量無制限のアドバンスオプションは有料ですし、利用できるエリアも非常に限られてしまい通信品質も相対的には悪いと言わざるを得ません。
容量を気にせず通信費を抑えたモバイル通信をお探しの方には様々な特典も利用できるブロードワイマックスをおすすめ致します。