本記事では、ドコモで利用できるWi-Fi STATION N-01Jについて本体スペック、料金プランを詳しく解説しています。
現在、各キャリアでは独自のWi-Fiルータを発売しており、年々機器の性能も向上していますが、通信技術や業界に詳しくなければ利用者にとって費用対効果がどうなのか、読み解くことは困難です。
そこで、ここでは通信業界にあまり詳しくなくても、Wi-Fi STATION N-01Jがどのようなルータ機器なのか分かりやすく性能をご紹介するとともに、利用にあたって気を付けたい点や料金プランについてご紹介していきます。
ナオト
結論から申し上げて、ドコモの「Wi-Fi STATION N-01J」は、いくらお金をかけてもいいから最高スペックの通信サービスを利用したい人にだけ向いています。
それ以外の方は、普通にWiMAXがコスパがいいですよ!
目次
Wi-Fi STATION N-01Jの機器概要
近年は開発費の安さから中国のHUAWEIやZTEのような開発メーカの機器が採用される事が多いのですが、Wi-Fi STATION N-01Jは国内メーカのNECから2017年3月に発売されました。
通信機器は半年から1年程度で新しい機器が発売される事が多いのですが、Wi-Fi STATION N-01Jは今でも最新機器に対抗できるほど高性能な事が特徴です。
Wi-Fi STATION N-01Jの発売日・メーカー
発売日 | 2017年3月9日 |
メーカー | NECプラットフォームズ(株) |
Wi-Fi STATION N-01Jのデザイン
Wi-Fi STATION N-01Jは、近年のモバイルルータらしく名刺より少し大きい程度でコンパクトです。
また、重量も文庫本よりも軽いので、どなたでも持ち運びできるでしょう。
カラーが1種類しかなく、ホワイトベースに薄いブルーの本体デザインです。
Wi-Fi STATION N-01Jの通信スペック
通信スペックとしては、NTTドコモの3G回線や4G-LTEに加えて、キャリアグリゲーション(略称:CA)と呼ばれる技術を駆使した「PREMIUM 4G」が利用できます。
キャリアアグリゲーションとはmバラバラの周波数が使われている回線をひとつにできる技術の事で、一言でいうとPREMIUM 4Gとはドコモの3GやLTEなどドコモが持つ色々な回線を同時に利用できるようにしたものです。※1
※1 CAはドコモだけではなく、au(KDDI)やソフトバンクも取り入れている為、WiMAXやポケットWi-Fiなど最近のモバイル通信では700M/bps以上が通常です。
3Gでは14M、LTEでは200M、そして他にもドコモの色々な設備を統合した結果、Wi-Fi STATION N-01Jは最大で788M/bpsの通信速度を実現しています。
これは国内で発売されているWi-Fiルータの中でも2019年現在最速です。
Wi-Fi STATION N-01Jの最大の特徴は最大速度と言えますが、注意点として788M/bpsが実現できるのは東名阪(東京・名古屋・大阪)の限られたエリアだという事です。
東名阪以外で利用する場合は4G-LTEの実力値である200M/bps程度が関の山と考えておくと良いでしょう。
Wi-Fi STATION N-01Jスペック表
本体サイズ(mm) | 高さ62 × 幅98 × 厚さ13.6 |
重量 | 約110g |
画面サイズ | 約2.4インチ |
使用ネットワーク | 4G-LTE/3G |
下り最大通信速度 | 788Mbps ※1 |
上り最大通信速度 | 50Mbps |
連続通信時間 | 約7〜14時間 |
※1 東名阪の一部のみ788M/bps
Wi-Fi STATION N-01J独自の機能:Linking機能
他の特徴として、ドコモが推進するInternet of Things(通称IoT)を見越したLinking機能がついています。
Linking機能とは、例えば自宅の戸締りや電気の消し忘れをルータ本体がスマホなどに通知してくれる機能です。
しかし対応した装置は各電化製品メーカが開発する必要があり、利用できる数としても多くないのであまり注目されていません。
Wi-Fi STATION N-01Jの購入場所
Wi-Fi STATION N-01Jを購入するには、ドコモのオンラインショップ、または全国にあるドコモショップに足を運ぶ必要があります。
どちらの購入方法でも、ドコモのいずれかの料金プランの契約が必須ですので、ルーターのみを購入する事はできません。
Wi-Fi STATION N-01Jの評判
Wi-Fi STATION N-01Jはドコモ回線を利用しているので、利用できるエリアが広かったり、通信が安定しているという評判が多いです。
一方、悪評判として、バッテリーの消耗が激しい事があげられます。
公表値では7時間から14時間とありますが、実際はもっと消耗が激しいと考えておくと無難です。
N-01J 電源OFFなのにバッテリー残量が減っていく謎現象が起きたり起きなかったり。OFF時でもバッテリー残量見れたり、起動速度が速いことからサスペンドモードでなにか動いてるんだろうけど、うまくいってないのでは。
— mynsh (@mynsh) March 20, 2017
デザインはシンプルで小型だが、バッテリーの持ちが悪いのも欠点
(http://review.kakaku.com/review/K0000918278/より)
Wi-Fi STATION N-01Jを使う際の料金プラン
Wi-Fi STATION N-01Jはドコモでしか利用できません。
そしてドコモが用意している通信向けのプランに加入して使うことが前提となります。
通信キャリアの料金プランは複雑でわかりづらい事が一般的です。
ドコモの料金プランは、3つの組み合わせからできている
ドコモでWi-Fi STATION N-01Jのようなモバイルデータ通信を利用する場合、基本料・通信容量・接続料の3つの組み合わせから費用が算出できます。
基本料やインターネットへの接続料は固定ですが月間通信容量にはかなり幅があり、最小2,900円から最大25,000円までのプランが用意されています。
つまり最も安いプランでも合計4,300円かかり、最大容量を選択すると26,400円もかかります。
最近のモバイルデータ通信では月間の容量は無制限が一般的です。
対してドコモは、定額制サービスを導入していませんんから、時代遅れと言わざるを得ません。
なお、ドコモの料金プランは使った容量によって料金が変わるベーシックプランと定額プランの2つがあり、さらに容量をひとりで占有するものと家族全員で共有するパターンの合計4パターンから構成されています。
Wi-Fi STATION N-01Jを固定回線など通信サービスの補助として使う場合はベーシックプラン、Wi-Fi STATION N-01Jをメインの通信サービスとして利用する場合は定額プランと考えると良いでしょう。
容量をひとりで占有して使う場合
ナオト
上記画像のように「定額」と書いてあっても、実際には最大容量が20GB、30GBとありますので上限があるサービスですね。
表:容量を家族全員で共有して使う場合
ナオト
正直、バカ高い料金ですね。
他社と比べてコスパが悪いですよね。
通信料金としては高すぎます。
速度制限について
料金プランで選んだそれぞれの月間容量を超えてしまうと通信速度に制限がかかり、128Kbpsしか出ない「リミットモード」の状態になります。
128kbpsというと、WEBサイトを開くにも数秒から数十秒かかり
Youtubeなどの動画サイトの閲覧はほぼできません。
またTwitterやInstagramのようなSNSは通信容量が大きいので、制限後はタイムラインを表示する事もままならなくなります。
制限解除は翌月になるまで解除されませんので、メインの通信サービスとしてドコモ+Wi-Fi STATION N-01Jを選ぶのは非常にリスクが高いと言えます。
ビジネス利用を前提にした価格帯にも関わらず、ビジネスでは怖くて使えない仕様になっています。
NTTドコモ「Wi-Fi STATION N-01J」 ルーター価格
Wi-Fi STATION N-01Jの本体価格は26,568円です。
Wi-Fi STATION N-01J機器費用
支払方法 | 支払代金 | 毎月の値引き |
一括払い | 26,568円 | 1,107円/月 |
分割払い(24回) | 1,107円/月 | 1,107円/月 |
WiMAXなどの主要モバイルルーターサービスでは、ルーターを無料提供していることを考えると、ドコモはルーターもバカ高いと言わざるを得ません。
加えて、ドコモではルーターを利用者が購入する形を取っています。
そしてルーター価格を利用料から値引きする仕組みをとっているため、仮に解約してもルーター代金の支払いは残る点に注意が必要です。
安く、通信容量を気にせず使いたいならWiMAXが絶対おトク
Wi-Fi STATION N-01Jはドコモの安定した回線を使って高速な通信速度を実現した高性能な機器です。
しかし、用意されている料金プランは通信容量が少なく、料金そのものも非常に高額なプランばかり。
メインの通信サービスとして利用するには、費用がかかりすぎるサービスです。
ナオト
ドコモのWi-Fiを使っている人、みたことありませんね。
誰が使っているのか知りたいぐらいです(笑)
料金を安く、そして容量を気にせずガンガン使いたい方は、ブロードワイマックス(WiMAX)をおすすめします。
ブロードワイマックスvsドコモの料金プラン比較
ブロードワイマックスとドコモの料金比較をしていきます。
今回は、月30GB程度使うユーザーを想定した料金比較をします。
YouTube動画を少しは閲覧したり、ウェブサイトの閲覧も毎日するような一般利用者レベルを想定したいと思います。
ブロードワイマックスvsNTTドコモの費用負担額比較
ブロードワイマックス ギガ放題プラン |
NTTドコモ ウルトラデータLLパック |
|
月間通信上限 | 無制限 | 30GBまで |
初期費用 | 3,000円 | 3,000円 |
初月利用料 | 2,726円 | 9,400円 |
1〜2カ月目 | 2,726円 | 9,400円 |
3〜24カ月目 | 3,411円 | 9,400円 |
25カ月目以降 | 4,011円 | 9,400円 |
1年間総費用 | 42,562円 | 115,800円 |
2年間総費用 | 80,494円 | 228,600円 |
3年間総費用 | 128,626円 | 341,400円 |
ナオト
なお、ブロードワイマックスではルーターは無料提供されます。
対してドコモは、上記料金表に加えて26,568円のルーターを自腹購入する必要があります。
表からもわかるように、ドコモは考えられないほど高額という実態がわかりますね。
Wi-Fi STATION N-01J vs WiMAXルータスペック比較
ドコモ「Wi-Fi STATION N-01J」の最大の売りは通信速度です。
しかし、ブロードワイマックスで使う最新機器も758Mbpsですので、体感としてはほぼ変わらない速度で通信が可能です。
近年のデータ通信はひとりひとりが使う通信容量の数が飛躍的に大きくなっており、2018年12月には4K・8K放送も始まります。
Youtubeでは高画質動画が一般的になりましたし、SNSのタイムラインをリロードするだけでも数Mから数十Mの容量を使います。
そのため月間の通信容量に上限がないものか実質上限に届かないプランを選ぶ事がこれからのデータ通信では必須になってくるでしょう。
そういう意味で、ドコモは定額制しか用意がありませんから魅力がありません。
また、ブロードワイマックスのルータは完全にゼロ円でルーターが提供されています。
無料ですから解約時にルーターの残りの支払いを請求されることもありません。
一方、ドコモは有料で買う必要があるため、コスト的にもやはりブロードワイマックスが優位です。
ブロードワイマックスでは、20カ月経過で最新ルーターに無料交換できる
ブロードワイマックスでは20カ月間利用すればその時の最新ルーターに無料交換してくれる制度があります。
今後も、速度やバッテリーの性能もあがっていきますので、ルーター交換の費用負担がないことからもWiMAXを選んだ方が賢いのは明らかですよね。
最大通信速度ではトップの性能を誇るWi-Fi STATION N-01Jですが、通信端末は概ね半年から1年程度で上位スペックのルーターが発売されます。
その度に最大通信速度は更新され、どんどんスペックアップしていきます。
一度、ドコモと契約するとルーター交換をしたくてもまだ現行ルーターの支払いが残っていることが原因で金銭的負担が重くのしかかるでしょう。
ルーターの費用負担比較
ブロードワイマックス | NTTドコモ | |
初期契約時のルーター代金 | 無料 | 26,568円 |
機種変更 | 20カ月利用で無料交換 | 現行ルーターの支払いを終え、新型ルーターを自腹購入する必要あり |
Wi-Fi STATION N-01J まとめ
Wi-Fi STATION N-01Jの特徴と注意点をまとめます。
- 最大速度が788M/bpsでモバイル機器としては最速。
- NTTドコモの回線を利用しているので安定感がある。
- バッテリーが公表値と違い消耗が激しい可能性がある。
- Linking機能が使えるが対応した装置が別途必要。
- 利用する為の通信容量プランがどれも高額でコスパが悪い。
- 速度制限時は128kbpsしか出ず、ほぼ利用できなくなる致命的デメリットあり。
Wi-Fi STATION N-01Jは機器本体のスペックならば最大級の速度を誇っていますが、問題はドコモの設定している利用料金や速度制限が厳しく、人や用途を選ぶ点です。
SNSを頻繁に使ったり、メインで使う通信サービスとして安いモバイル通信をお探しの方はWi-Fi STATION N-01Jよりも利用料がお得なブロードワイマックスをおすすめ致します。