本記事は、ワイモバイル「Pocket WiFi 603HW」の対応エリアについて詳しく解説しています。
Pocket WiFi 603HWは、ワイモバイルの中では最も高速に通信ができるモバイルWi-Fiですが、ワイモバイルの料金プランは月間容量が7GBまでです。
容量少ないですね。
もし、通信容量を気にせずに使おうとすると「アドバンスモード」に切り替える必要があります。
アドバンスモードは、有料のアドバンスオプションを申し込んだ後にルーター側で設定すると利用できるようになります。
そしてアドバンスモードの特徴として、対応エリアが非常に狭いことが挙げられます。
どこでも利用できるものではありません。
また、エリアマップもネットワークごとに分かれていて探しづらくなっていますので、通信容量無制限を目当てに契約すると実際は全く利用できないリスクが内在しているサービスです。
ここではPocket WiFi 603HWの対応エリアについて詳しくご紹介すると共に、提供エリア外でも容量を無制限で利用できる通信サービスをご紹介します。
ナオト
Pocket Wi-Fi 603HWを無制限で利用したい方は、さらにエリアが広い「WiMAX」も選択肢に入りますので検討の余地ありです。
目次
Pocket Wi-Fi 603HWの対応エリア
Pocket WiFi 603HWはグループ会社であるソフトバンクの回線を利用しています。
ソフトバンクの回線は多くの周波数や使っている技術によって区別されており、Pocket WiFi 603HWではその中の6つの回線を利用して通信できるようになっています。
回線ごとに通信速度も違えば対応エリアも違う為、アドバンスモードが利用できるエリアも限られてしまうという仕組みです。
Pocket WiFi 603HWの回線は2つ(標準モード・アドバンスモード)
Pocket WiFi 603HWで利用できる各モードの特徴
標準モード | アドバンスモード | |
対応エリア | 広い | 狭い |
電波の届きやすさ | 建物を回り込む | 建物に弱い |
最大通信速度(下り) | 350Mbps | 612Mbps |
回線名称 | SoftBank 4G-LTE | SoftBank 4G |
通信方式 | FDD-LTE | AXGP/TD-LTE |
周波数 | 900MHz、1.5GHz、1.7GHz、2.1GHz | 2.5GHz、3.5GHz |
Pocket WiFi 603HWでモードを切り替えると最寄りの基地局との通信方式が切り替わります。
標準モードでは、多くの基地局が対応しているFDD-LTE(通称Softbank 4G-LTE)の電波をキャッチしますが、アドバンスモードでは一部の基地局しか対応していないAXGPやTD-LTE(通称Softbank 4G)の電波を使っており、提供エリアに大きな違いがあります。
また、ソフトバンクのTD-LTEは2.5Ghzや3.5Ghzの周波数帯域を使用しています。
周波数の大きな電波は遮蔽物に弱くなる特徴があるので、建物が集中している場所では繋がりにくくなりますが、電波の届く限られたエリアでは高速な通信ができるという一長一短のある通信と言えるでしょう。
なお、ワイモバイル(ソフトバンク)はTD-LTEのカバーエリアをAXGPと区別せずに公開しているので違いを見分ける事はできません。
標準モードとアドバンスモードのエリア比較
ここからはワイモバイルが公開している提供エリアマップを参考に、東京・大阪・愛知の3都府県における標準モードとアドバンスモードの具体的な違いについて見ていきます。
東京都のエリアマップ
東京23区マップ
東京は23区内であればどこでもアドバンスモードで利用できますが、23区外になるとちらほらと使えないエリアが出てきます。
しかしアドバンスモードでは建物が密集した地域では電波が弱くなる傾向があるので、速度が出ない可能性もあります。
23区外マップ
東京の西側を見ると稲城市、日野市、町田市、八王子の一部ではアドバンスモードが利用できません。
多摩美大や法政大学の多摩キャンパスに通う学生さんだったり、ゴルフ場に遊びに行く方は注意が必要です。
大阪府のエリアマップ
大阪中心部マップ
大阪市や堺市もほぼアドバンスモードが利用できますが、西淀川区の大野付近や堺市の一部ではまだ未対応な場所があり、奈良との県境でもある生駒山もほぼ利用できません。
未対応エリア付近にお住まいの方や生駒山キャンプ場に遊びに行く方は注意が必要です。
北大阪エリアマップ
豊野方面を見ると山間部も多くなる為か急にアドバンスモードが利用できないエリアが多くなります。
京都や兵庫との県境も容量無制限は利用できない可能性が高いでしょう。
南大阪エリアマップ
堺市から奈良県や和歌山県との県境まで広げると一気に未対応エリアが目立つようになり、北大阪エリアと同様、アドバンスモードではなくワイモバイルそのものが使えない場所も多くなります。
愛知県のエリアマップ
愛知県全体マップ
愛知県では名古屋市を中心に利用できますが、東側は山間部でほぼアドバンスモードは利用できません。
また、飛鳥村や東海市など海に近いエリアも未対応の場所があるので、付近に勤めている方は休憩中の利用には注意が必要です。
愛知県南側マップ
愛知県の南側ではかなりのエリアがアドバンスモード未対応になっています。
中心市街以外ではほぼ容量無制限では利用できないと考えておいた方が無難です。
ワイモバイルよりも対応エリアが広いWiMAXがおすすめ
Pocket Wi-Fi 603HWをアドバンスモードで容量無制限に利用できるエリアはまだまだ限られています。
前述したように日本の三大都市である東京・大阪・愛知だけで見ても、中心市街以外は対応していない事がわかります。
エリアによってモードを切り替えたり、容量を気にしながらネット通信するというのは非常に面倒です。
そこで、どこでも通信容量を気にせずに利用したい方にはWiMAXをおすすめします。
なぜならWiMAXの方が無制限エリアが明らかに広いからです。
WiMAXは、はじめから月間通信容量が無制限
ワイモバイルのプランは5GBと7GBの2種類しかなく、容量を無制限に利用したい場合は7GBプランにして、有料のアドバンスオプションをつけなくてはなりません。
ワイモバイルのプラン詳細
プラン名 | アドバンスモード | 月間通信容量 | 切替対応 |
Pocket WiFiプラン2(さんねん) | 有 | 無制限 | 必要 |
Pocket WiFiプラン2(さんねん) | 無 | 7GB | 不可 |
Pocket WiFiプラン2(さんねん) | 不可 | 5GB | 不可 |
しかし、WiMAXでは初めから月間容量の上限を設けていないプランがあります。
ワイモバイルのように場所によってモードを切り替えたり、通信容量に気を配る必要がなくなりますので、利便性が向上します。
WiMAXのエリアは、ワイモバイルよりも広い
WiMAXはKDDIグループのUQコミュニケーションズが大元となって展開している通信サービスです。
WiMAXは2009年に初めて世に出てきた通信サービスで、高速通信が実現できるTD-LTEの技術をワイモバイルよりも2年以上早くサービス化しています。
通信系の事業はサービス化するまでに基地局などの設備を整える必要がありますが、1から準備していくのは長い年月を要しますので、ワイモバイル(ソフトバンク)よりも数年早く事業をスタートさせたWiMAXの方が利便性が高くなる事は当然の結果とも言えます。
では具体的にエリアを比較しながら見ていきましょう!
大都市のエリア比較(東京・大阪・愛知)
東京エリアの比較
東京23区内では両社に違いはありませんが、西側に目を向けるとWiMAXでは稲城市や多摩市もしっかり利用可能です。
大阪エリアの比較
縮尺が一緒にできないので、やや比較しずらいですが、WiMAXでは海側も内陸側も満遍なく利用できる事がわかります。
また、ワイモバイルでは利用できなかった山間部もしっかりカバーしています。
愛知エリアの比較
愛知県では両社とも東側が弱い印象ですが、ワイモバイルでは全く利用可能なエリアがないのに対し、WiMAXではわずかに利用できるエリアもあります。
また、ワイモバイルでは東名高速に沿って利用可否が分かれたり、南側は全く利用できないように見えますが、WiMAXでは春日井方面や南側もしっかりカバーしている事がわかります。
東日本主要エリア比較(北海道・埼玉・千葉・神奈川)
北海道(札幌)エリアの比較
北海道では札幌を中心にご紹介します。
ワイモバイルでは札幌から千歳に向けて飛び飛びになっているのに対し、ワイモバイルではしっかり面としてカバーしている事がわかります。
また、小樽や当別の方面も広くカバーしています。
埼玉エリアの比較
埼玉エリアでは、ワイモバイルは川越よりも北に行ったり、東松山よりも西にいくと途端にエリア外となりますが、WiMAXでは秩父市までしっかりカバーしています。
WiMAXは、埼玉県内を満遍なく対応している事がわかります。
千葉エリアの比較
千葉エリアではやや顕著に違いがあり、東京に近い場所ではワイモバイルもカバーしていますが、茂原から南側はほとんど利用できません。
WiMAXでは房総半島や九十九里浜のような沿岸側までしっかりカバーしている事がわかります。
神奈川エリアの比較
神奈川県では逗子や小田原の周辺に違いが見られます。
ワイモバイルでは逗子周辺や平塚から小田原間が弱いですが、WiMAXでは山間部以外は全体的にカバーしている事がわかります。
西日本のエリア比較(静岡・兵庫・福岡)
静岡エリアの比較
静岡エリアは、ワイモバイルでは伊豆半島の大部分や牧之原で利用できません。
WiMAXでは東海道線沿いのほとんどをしっかりカバーしており、天城山や大無間山を除けば大部分で利用できます。
兵庫エリアの比較
兵庫県ではワイモバイルは神戸や姫路などの中心街以外はほぼ利用できません。
WiMAXでは内陸部や日本海側も利用できる場所がかなり多い事がわかります。
福岡エリアの比較
福岡を中心とした北九州でもワイモバイルは利用できないエリアが目立ちます。
特に大宰府や久留米近辺はWiMAXと大きな差がある事がわかります。
WiMAXプロバイダは「ブロードワイマックス」がおすすめ
月間容量が無制限を選ぶ場合、ワイモバイルより提供可能エリアが広い事が特徴のWiMAXですが、WiMAXプロバイダは現在70社以上が存在しており、各社がお得な料金プランやキャンペーンを実施しています。
ここでは利用料金を含めた全体的な費用負担額がWiMAXプロバイダの中でもトップクラスに安く
キャンペーンも豊富でお得なプロバイダとして、ブロードワイマックスをおすすめします。
ブロードワイマックス vs ワイモバイルの料金プラン比較
ワイモバイルでは月間通信容量を無制限にしたい場合、基本プラン料金とは別にアドバンスオプションとして月々684円が必要です。
合計すると4,380円となり、モバイル通信サービスとしては高額です。
ブロードワイマックスとワイモバイルを比較すると年間で1万円以上の差が出ます。
WiMAXの方が安いです。
利用可能エリア以外に費用対効果の面でみても、ブロードワイマックスが優秀なことは明らかですよね。
ブロードワイマックス vs ワイモバイル料金プラン比較
ブロードワイマックス ギガ放題プラン |
ワイモバイル Pocket WiRiプラン2+アドバンスオプション |
|
月間通信上限 | 無制限 | 30GBまで |
初期費用 | 3,000円 | 3,000円 |
初月利用料 | 日割 | 日割 |
1〜2カ月目 | 2,726円 | 3,696円 ※1 |
3〜24カ月目 | 3,411円 | 4,380円 |
25カ月目以降 | 4,011円 | 4,380円 |
1年間総費用 | 42,562円 | 54,192円 |
2年間総費用 | 80,494円 | 106,752円 |
3年間総費用 | 128,626円 | 159,312円 |
※1 アドバンスオプション3ヵ月無料特典適用時の価格です。
Pocket WiFi 603HW vs WiMAXルータスペック比較
Pocket WiFi 603HWではルーター価格分を毎月の利用料から値引きされる形で36カ月利用すれば実質無料と謳っています。
しかし、ブロードワイマックスのルータは完全無料で購入する事ができ、解約時にもルーター代を請求されません。
また、通信速度やバッテリーの持ちもブロードワイマックスのルータの方が高性能となっているので、容量無制限プランをしっかり高速通信で利用できます。
ルータースペック比較
ブロードワイマックス vs ワイモバイルのキャンペーン比較
ブロードワイマックスとワイモバイル、キャンペーン比較表
ブロードワイマックス | ワイモバイル | |
新規契約時 | ・利用料値引き ・ルーター無料 ・違約金負担制度 ・当日店舗受け取りサービス |
・アドバンスオプション3カ月無料 |
契約後 | ・ルーター無料交換 ・ご満足保証 |
・なし |
→どうみても、ブロードワイマックスの方がお得ですね。
ワイモバイルはスマホやタブレットの販売を主体とした運営スタイルの為、キャンペーンの内容もスマホやタブレットを対象にしたものが圧倒的に多くです。
Pocket WiFi 603HWを利用したい場合に適用できるキャンペーンは1つしかありません。
ワイモバイルで唯一、利用できるキャンペーンはアドバンスオプションの利用費684円を3カ月間無料(合計2,052円値引き)だけです。
値引き後の利用料で比較してもブロードワイマックスの方が1,000円近く安く利用できるので優位と言えるものではありません。
一方、ブロードワイマックスでは20カ月以上利用すれば最新ルーターに無料で機種変更できる特典があります。
さらに通信サービスではお決まりの解約時の違約金を必要としない「ご満足保証」など長期利用者にとっても嬉しい様々なキャンペーンが用意されています。
Pocket Wi-Fi 603HWの対応エリアに関するまとめ
Pocket WiFi 603HWでアドバンスモードが使えるエリアについて特徴をまとめると以下の4つとなります。
- 建物などの遮蔽物に弱いのでビル密集地では電波が弱まる。
- 東京、大阪、愛知といった大都市でも利用できない場所が多い。
- 東日本、西日本の各都市でも中心街以外では利用できない場所が多い。
- 山間部での利用は絶望的でレジャー施設のある場所も望めない。
Pocket WiFi 603HWは、ルーター本体の性能としては高速通信も可能でWiMAXのルータに匹敵するものです。
しかし、ワイモバイル側のサービス設計として容量無制限のプランをはじめから用意していない点で、やや時代遅れの通信サービスであると言えます。
無制限に利用したい場合、利用者側でルーターの設定変更が必要で手間もかかりますし、費用としても安い訳ではありません。
そもそもアドバンスオプションが利用できるエリアが完全に各都道府県の中心地だけと限られています。
容量を気にせず通信費を抑えて高速なモバイル通信が出来るサービスをお探しの方には
ワイモバイルよりもブロードワイマックスをおすすめします。