NECプラットフォームズが、2017年8月にSIMロックフリーのLTEホームルーター「Aterm HT100LN」を発売しました。
気になっていたので実際に購入して使ってみたので、使い勝手などをレビューしてみます。
結論からお伝えしますと、
- 用途はメール・Twitterだけ!というライトユーザーにはおすすめのLTEホームルーターです。
- 動画をよくみたり、ガンガン使いたいヘビーユーザーにはまったく向きません。
ヘビーに使いたい方は、WiMAX2+のホームルーターをおすすめします。
目次
Aterm HT100LNは省スペースのホームルーター
Aterm HT100LNは、小型のホームルーターです。
縦横130mm、高さ37mmと小さく、重量は200gしかありません。
Aterm HT100LNスペック表
項目 | スペック |
サイズ | 約130(W) × 130(D) × 37(H)mm |
質量 | 約0.2kg |
電源 | ACアダプタ AC100V±10% 50/60Hz |
消費電力 | 約6W |
SIM | nanoSIM |
対応周波数 | バンド1(2GHz) バンド19(800MHz) バンド26(800MHz) |
LTE速度 | 受信時 150Mbps 送信時 50Mbps |
Wi-Fi速度 | 最大 433Mbps |
SIMロックフリー | ◯ |
従来のルーターに比べて省スペース設計ですし、ホワイトでおしゃれなので女性の一人暮らしに合うと思います。
Aterm HT100LNに入れる格安SIM
NECのサイトに、「接続確認済みのLTEサービス事業者リスト」が公開されていますのでこれを参考に格安SIMを選ぶといいですね。
僕は以前からmineoを使っていたので、mineoのドコモプラン(Dプラン)のデータ通信専用SIMを購入しました。
mineoは、スマホに挿して使うデュアルタイプの他にも、データ通信のみのシングルタイプも用意しているのでこれを選びました。
僕が購入したSIMはmineo
項目 | スペック |
格安SIMサービス | mineo |
プラン | Dプラン(ドコモプラン) |
タイプ | シングルタイプ(データ通信のみ)、SMSなし |
基本データ容量 | とりあえず10GB/月 |
月額料金 | 2,520円 |
Aterm HT100LNの実際の通信速度
Aterm HT100LNに、mineoのデータプランSIMを入れて速度測定をしました。
なお、Aterm HT100LNは初期設定時は2.4GHzを掴んでいます。
管理画面で高速な5GHz(屋内使用に限る)に設定変更して測定しました。
測定結果はこちら!
Aterm HT100LNの通信速度測定結果
日時 | mineo 速度 |
2018年4月21日(土)14:12 | 下り2.66Mbps |
2018年4月25日(水)15:45 | 下り2.01Mbps |
2018年4月25日(水)15:48 | 下り10.04Mbps |
2018年4月26日(木)8:30 | 下り2.90Mbps |
測定に使用したパソコンは、iMacで2018年に購入した最新モデルです。
CPUもメモリも比較的積んでいるハイスペックなパソコンかと思いますが速度は正直は物足りないです。
一言で言えば、遅いです。
iMacで繋いでいるときは、Yahoo! JAPANの読み込みに3秒ぐらいかかっています。
速度が3MbpsでYouTube動画を観るとこんな感じです。
特に最初の読み込みで数秒待たされていることがお分かりいただけるかと思います。
ウェブサイトの閲覧に問題はある?
ウェブサイトは普通に見れますが、遅いですね。
日頃、光回線やWiMAX回線を使っている人にとっては多少遅く感じると思います。
特にページ読み込みをして表示されるまでの時間です。
YouTubeは観れる?
読み込み始めが遅いですが、観れます。
しかし、容量をガンガン使うのですぐに容量不足になってしまいます。
月10GBや20GBのSIM容量ですと、日常的にYouTubeを見るような使い方は厳しいなと思いました。YouTubeは、待たされる感じはなかったのでよかったです。
dTVの視聴も確認しましたが、こちらは読み込みで少し待たされる感じがありました。
参考までに我が家は、YouTubeをAppleTV経由で見ていて結構見る方です。
月10GB、20GBでは全然足りないですね。
やはり動画をガンガンみるなら光回線か、WiMAXだと思います。
SNSは普通に見れる?
見れます。
しかし、こちらもFacebookとかInstagramなどで写真をガンガン見る使い方だとそれなりに容量を使いますので月10GBだと1カ月持たないかもしれないですね。
スマホが月7GBでいつも容量不足になっている人は、これで10GBのSIMを購入すれば一部をホームルーターの方に流せそうです。
分散目的でLTEホームルーターを導入するのはありですね。
Aterm HT100LNに感じたデメリット
一つ感じたデメリットとしては、通信中はこのように常時中央のランプが多く点灯します。
夜寝るときにこのランプが気になりました。
管理画面で設定変更で消灯させたりもできず。
WiMAX2+のホームルーターの「Speed Wi-Fi HOME L01s」だと設定で変更できるので、このあたりの配慮はいまいちだなと思いました。
LTEホームルーターの特徴
「Aterm HT100LN」は、格安SIMを入れて使うタイプの自宅用LTEホームルーターです。
格安SIMは、別途ご自身で購入する必要があります。
ここでは一般的なLTEホームルーターのメリット・デメリットを挙げます。
検討されている方は参考にして見てください。
メリット・デメリット
ホームルーターのメリット・デメリットを整理しておきます。
「Aterm HT100LN」にも同じことが言えます。
- 通信費の節約ができる(格安SIM利用)
- 工事不要なので手軽に導入できる(光回線は面倒ですからね)
- 携帯でも使用されるLTE電波を使うので隅々まで電波が届く
- ルーターを有料購入する必要がある(1万円ちょっと)
- LTEなので速度が遅い(光やWiMAXに比べてはるかに遅い)
- 格安SIMは別途自分で購入する必要がある
- 無制限には使いづらい
LTEホームルーターとWiMAXの比較
最後に、LTEホームルーターとWiMAXを比較している方も多くいると思いますので比較しておきます。
LTEホームルーターとWiMAX2+との比較
LTEホームルーター | WiMAX2+ | |
電波 | LTEのみ | WiMAX2+(メイン)、LTE(サブ) |
代表ルーター | Aterm HT100LN | Speed Wi-Fi HOME L01s |
ルーター代金 | 約13,000円 | 無料 |
月額料金 | 3,980円(mineo) | 2,766円〜 |
課金形態 | 従量制 | 定額制 |
月間通信容量 | SIM契約容量次第(0.5〜30GB程度) | 無制限 |
速度 | LTE最大150Mbps (実際20Mbps) |
WiMAX2+ 758Mbps (実際100Mbps前後) |
用途 | メール、Twitterチェック、軽いウェブ閲覧 | 動画、SNS、ウェブ閲覧、ストリーミング |
※1 mineo 月20GBの場合。契約する格安SIMによります。
基本的にどちらも無線による通信手段ではありますが、微妙に違いがあります。
使える電波の違い
例えばLTEホームルーターは、LTEの電波のみを使います。
LTEというのは家の中や地下でもよく電波が通るのですが、弱点は「遅い」ことです。
一方、WiMAXはデータ通信専用の高速回線WiMAX2+を利用できます。
加えて地方に強いLTEを使うことができます。
通信容量の違い
LTEホームルーターには格安SIMを挿して使うのですが、2019年現在で実質無制限に使える高速通信可能なSIMはありません。
つまり、LTEホームルーターは、たくさん通信したい人にとっては向かないサービスということになります。
無制限という点においてはやはりWiMAX2+が優れています。
Aterm MR05LNでも、結局同じ結論でした
SIMフリールーターとWiMAXを比較してしまうと、最終的にこの問題にたどり着くのですが、それは容量の問題です。
実は僕は、Atermシリーズのモバイルルーター「Aterm MR05LN」も所有していまして、こちらも結構な価格がしたのですが、やはり中に入れるSIMでいい商品がないので、ガンガン使う用途では使いづらいです。
詳しくは、以下の記事で書いていますので参考にしてもらえればと思います。
LTEホームルーターAterm HT100LNのベストな用途を考えてみた
実家の光回線を、LTEホームルーターに変更してコスト削減という感じでしょうか。
実家で親がたまにインターネットするだけなのに光回線を契約しているケースではLTEホームルーターがおすすめです。
単純に節約になりますし契約期間の縛りがないのも魅力的です。
※契約期間の縛りについては、契約する格安SIM次第ですのでこの点は注意が必要です。
若い人にもおすすめできますが、メール、Twitterぐらいでスマホの容量不足を解消するために固定回線の代用として導入するのはありですね。
しかし、動画をたくさん観たり、SNSをガンガンやるには向かないので、そういう人はWiMAX2+がおすすめです。
以上